コラムColumn

漢方薬に副作用ってあるの?

2023年6月13日

富山のくすり屋

池田屋安兵衛商店です。

 

「漢方薬は自然のものだから副作用なんてないんでしょ。」って

お客様からよく言われます。

 

そんなことはありません!!

誤解です!!

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漢方薬も薬ですから副作用はあります。

 

漢方薬はその方の体質や体格、体力、また症状の現れ方など

総合的にみて「証」にあったお薬をお出しします。

この「証」にあってないと逆に体調が悪くなったり、症状が

悪化したりなどの不快な症状が出る場合があります。

 

この不快な症状の中には、不眠、食欲不振、胃部不快感、などなど

様々な症状が認められます。

 

また食べ物にもアレルギーがあるのと同じく、生薬もアレルギー反応

を起こす場合があります。これも副作用といえるでしょう。

 

アレルギー反応といえば、鼻炎や咳、薬疹、下痢もその症状のひとつでしょう。

 

また個々の生薬が起こす副作用もあります。

これは継続的に長く服用した場合や摂取量がおおくて強くあたったときに

でる場合があります。

 

注意したい生薬を少しだけご紹介

  • 甘草(かんぞう)

主成分のグリチルリチンの作用で「偽アルドステロン症」といわれる

副作用を発症します。主な症状は高血圧、手足のむくみ、尿量減少、

低カリウム血症(筋肉痛、筋肉の脱力、けいれん)などです。

甘草は食品などにもよく使用されていますので、知らない間に過剰摂取にあることも。

 

  • 麻黄(まおう)

主成分のエフェドリンの交感神経刺激作用によって交感神経が優位になって過緊張状態になります。

心臓の働きが高まるので動悸や血圧が上昇します。

消化は抑えられるので胃もたれをおこしたり、頭は覚醒して気持ちはピリピリし、発汗が多くなります。不眠になることも。特に心臓に疾患を持つ方、妊婦さんは要注意ですよ。

 

  • 大黄(だいおう)

便秘によく使われる生薬で主成分はセンノシド。

腸の働きをよくして便の出をよくします。大黄の効果は個人差もあるため

少しの量でも効きすぎて腹痛や下痢などの副作用になります。

 

  • 附子(ぶし)

猛毒で知られるトリカブトの根を弱毒化したものです。主成分はアコニチンで、利尿・強心・鎮痛作用があります。

この附子も、麻黄と同じく交感神経を優位にする生薬です。附子は強い冷えを抱えているような人、冷えで体が弱っている人の温熱薬としてよく使われます。

副作用としては、動悸・頻脈などの心血管症状や悪心・嘔吐などの消化器症状が

現れます。口のしびれなどの神経症状がみられることもあります。

 

 

漢方薬は自然由来ですが、だからこそ体質に合わないと調子を崩してしまうことがあります。

最近は商品名で漢方薬とは判断しにくい市販薬や生薬を含むサプリメントなどもあり、

知らず知らずに併用してしまう場合もあるようです。

気になる症状がでた場合は速やかに服用を中止してくださいね。

ほとんどの場合は飲むのをやめれば症状はなくなりますが、

医師や薬剤師、登録販売者などの専門家にお気軽にご相談ください。

 

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