コラムColumn

お正月のお屠蘇

2020年12月27日

富山のくすり屋、池田屋安兵衛商店です。

屠蘇って単に正月にお酒(日本酒)を飲むことだと思っていませんか?

当店では毎年販売しておりますが、漢方、おくすりとは関係の深いもので

実は、お屠蘇って薬草酒なんです。

屠蘇

屠蘇(とそ)とは

本来、お屠蘇とは「屠蘇散(とそさん)」または「屠蘇延命散」と呼ばれる5~10種類の生薬を

配合したものを漬け込んだお酒のことで、唐の時代の中国より伝えられ、平安貴族の正月行事に

使われていたそうです。江戸時代には一般庶民の口にも入るようになるまで広まり、一年間の

邪気を払い無病長寿を願って正月に縁起物のお酒を呑む風習です。

屠蘇の意味は「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる」ところから名付けられたと

言います。また、「蘇」という病をもたらす悪鬼を屠(ほふ)るという説などほかにも少し解釈の

ちがう説があります。

※屠る…敵を打ち負かす

 

お屠蘇の中に一般的に使われている生薬は、

桂皮、山椒、陳皮、桔梗、大茴香、防風、白朮、大黄 など数種類で構成されています。健胃効果や

体を温めたり、初期の風邪への効果を期待したものとおもわれますね。

 

お屠蘇の作り方は

お酒1合に屠蘇散を6~7時間浸します。

本みりん30ml~50ml、または砂糖小さじ2~3杯を加え、お好みの味に仕上げてください。

酒を多くすると辛口な仕上がりに、本みりんの割合が多いと 甘口でまろやかな味わいになります。

 

飲むときに作法があります。

正式には屠蘇器という朱塗りのお銚子と三段重ねの盃でいただくのですが、ご家庭にある酒器の中で

一番お正月にふさわしいものをお使いになってもかまいません。飲むときは家族全員が東の方角を向きます。

飲む人の右側から注ぎ、飲む順番は年少者から年長者へと進めていきます。これは若者の活発な生気を

年長者が飲み取るという意味合いと、毒見の名残だと言われています。本来は三段重ねの盃で1杯ずつ

3回に分けて飲みますが、略式では1つの盃に3回に分けて入れ、3回に分けて飲み干します。

厄年の人は厄年以外の人に厄を祓う力を分けてもらうため、最後に飲みます。

 

これは守りましょう。

お酒なので、20歳未満の方や車の運転をする人は飲んだらダメですよ。

それと縁起物だからって無理にすすめるのもやめましょう!!

 

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