コラムColumn

匙加減は大事です。

2024年1月30日

富山の薬屋

池田屋安兵衛商店です。

 

「匙加減(さじかげん)」という言葉、一度は耳にしたことがあると思います。

よく耳にするのは料理番組や料理本などで味の調整をする際でしょうか。

ほかには人間関係のバランスや距離を意味する言葉として使われたりもしますが…。

 

その起源、実は漢方にあるってご存じですか?

 

さかのぼること江戸時代初期、お医者様たちはほとんどが漢方医でした。

彼らは匙を使って漢方薬の調合を行っていました。

匙を使って微妙な薬の量をはかり、それによって漢方薬の効果を発揮させ、患者の病気を治したりしたわけです。

漢方薬を調合する際には微細な量の調整が重要であることから、料理の味付けや物事の調整、人間関係への配慮の仕方など、様々な場面で「匙加減」という表現がそのころから広い意味で使われるようになりました。

ところが、明治政府の政策で西洋医学が一般化したため、漢方は一時的に衰退しました。

漢方が一般的ではなくなると、この言葉が漢方医学の用語であったことも忘れられ知らない人も増えたということのようです。

 

さらに、「匙を投げる」という言葉もありますが、これは医者がこれ以上治療の方法がないといって匙を投げ出すことから派生して、見込みのない物事をあきらめることを意味します。これも漢方起源のようです。

 

また、匙を使って薬を作る技術、医者を「匙先」「匙執り」といった言葉で表現していました。このように、漢方医にとって匙とは切っても切れないものだったということです。

 

何事も「匙加減」、大事ですね!

 

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