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「煎じる」ということ

2021年6月29日

「爪の垢を煎じて飲む」っていうことわざがあります。
優れた人や尊敬できる人を手本にしてあやかりたいという意味なのですが…。

 

それはさておき、漢方薬にも煎じて飲む煎じ薬があります。
では、その「煎じる」っていったいどういうことでしょう?

 

単に普通にお茶を飲むだけならお湯を注ぐだけでもよいのですが、

漢方薬として効果を得たい場合は水に浸した生薬(薬草)を

ぐつぐつと煮出したほうが薬効成分が効率よく抽出されます。

また煮出された湯を飲めば、その成分が体に吸収されやすくなります。

「煎じる」とは漢方薬では「生薬(薬草)などを煮詰めて有効な成分を取り出す」

ということだと思ってください。

 

ちなみに、漢方薬でよく使用されるのは「煎じ薬」と「エキス剤(顆粒)」です。
よくコーヒーにたとえられますが、「煎じ薬」は本格ドリップコーヒーに、
「エキス剤(顆粒)」はインスタントコーヒーに例えられます。
確かに「エキス剤」は煮出した液をインスタントコーヒーのように乾燥させた粉末ですし、
手軽に携帯できます。

でもやはりオススメはドリップコーヒー同様、香りも味も効き目も本格派の「煎じ薬」です。

有効成分をそのまま体内にとりこめることとその人にあった匙加減ができます。
また、香りを感じながら飲むことが出来、その香りも効き目のうちと言われます。
何より煎じ薬のそのままの味を味わえるのもいいですね。
昔から味が飲みやすければ体に合っているなどと言われました。

 

という訳でよく聞かれるご質問のひとつ

「煎じ薬」の作り方を簡単にご紹介します。

 

<手順1>土瓶をご用意ください。

※土鍋・耐熱ガラス・ホーロー・ステンレス製のものをご利用ください。
避けていただきたいのは鉄やアルミ、銅製のものです。
鉄やアルミ、銅は成分が溶け出したり、化学反応を起こしたりする場合があるからです。
<手順2>土瓶に約600mlの水を入れます。
※お薬によってちがいがあります。添付資料や薬剤師さんの指示にしたがってくだい。

どびん

<手順3>土瓶の中に生薬を入れてください。
※通常「煎じ薬」はティーパックになって出されるものが多いですが、
薬効成分を効率よく煮出すためには1日分(1袋)を破って中身をそのまま土瓶にいれて使うこと
 をおすすめします。面倒であればティーパックのままでもかまいません。

煎じ薬
<手順4>土瓶のフタを開けたまま、火をかけてください。

     いったん沸騰しましたら、噴きこぼれしない程度の弱火にしてください。
     そのまま約半分の300mlくらいまで煮詰めてください。
※出来上がりの量よりも煎じる時間が重要です。しっかりとした火力でじっくり時間をかけましょう!

土瓶
<手順5>煎じあがったら、できるだけ速やかに滓(かす)を茶こしなどで濾(こ)して取り分けてください。
※長く放置すると有効成分が滓に吸着されてしまいます。

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<手順6>コップなど容器に1日3回分に分けてください。
※保存方法は、冷蔵庫で保管して2日以内に飲んでください。

また、煎じる前の生薬は、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管してください。

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<飲み方>基本的には1日3回空腹時(食前30分以上か食間)に飲んでください。
飲む前に温めて(電子レンジでチンでいい)飲むとさらにいいでしょう。

漢方薬の効果を充分発揮させるためには他の飲食物と胃の中で混ざらないようにするために
食前、食間に服用します。ただし空腹時に飲むと胃にさわる人は食後でもかまいません。

 

煎じることは決して難しいことではありません。
細かい手順はさておき、生薬を煮出してのむだけです。
難しく考えずに「毎日作って毎日飲む」!!これが重要です。

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