コラムColumn

美しい女性…

2021年4月12日

富山のくすり屋、池田屋安兵衛商店です。

今回はちょっと漢方をおもしろくお伝えできればとおもいます。

さて、こんな諺をきいたことありませんか?

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

そうです!美しい女性のことを花にたとえて、昔の人はうまいこといったもんです。

でも漢方的にはこんな風に解釈します。

 

<腹が立てば芍薬!>

「立てば芍薬」の”立てば”は気の立っている女性を意味し、イライラしていてだまって座ってられない女性のこと
を例えたものです。芍薬は痛みを取ったり、筋肉のこわばりを取ったりという鎮静鎮痛の働きがあるためヒステリーな女性は芍薬を使った漢方を飲みなさいということです。

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<ペタンと座れば牡丹!>

「座れば牡丹」の”座れば”は一度座るとテコでも動かない尻の重い女性のことを例えたものです。
牡丹の根の皮の部分(牡丹皮・ぼたんぴは「瘀血」を改善する働きがあります。「瘀血」とは、漢方で症状を表現するのに用いられる言葉のひとつで、腹部に血液が滞った状態を意味します。生理不順などで古血が循環せず(瘀血の症状)なにごとにもおっくうになってうごくのがいやになり座ってばかりいる女性には牡丹を飲ませなさいということです。

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<不安定に歩く姿は百合!>

「歩く姿は百合の花」は百合の花のようにユラユラと精神が不安定な状態で歩いている様子を例えたものです。
その場合には精神を安定させる働きのある百合の球根を用います。自律神経の乱れによる不眠、精神不安などの
心身の不調を訴えて歩く姿も不安定な女性には百合を飲ませなさいということです。漢方的には百合(びゃくごう)といい、ユリ科の百合の鱗茎の鱗片を乾燥させたものです。中国医学の古典である金匱要略には「百合病」という記載があり抑うつ、摂食障害、精神症状がみられる女性に用いられておりました。

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このように、それぞれの症状に合った生薬を用いると健康になれます。
つまり、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、健康な女性は芍薬・牡丹・百合の花のように美しい
という意味かと….。

かしこ

 

 

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